10月16日、ブラジル人アーティスト、エリオ・オイティシカ(Hélio Oiticica: 1937-80)の2000点におよぶ作品が、アーティストの弟であるセサル・オイティシカ(César Oiticica)氏宅にある倉庫が焼けたことによって、消失した。
1981年にアーティストの財産を保護する目的で設立された「プロジェクト エリオ・オイティシカ」のディレクターであるセサル氏は、200万ドル(約2億円)の損失と見ている。作品は、いずれも保険にはかけられていなかった。
エリオ・オイティシカは、20世紀のラテン・アメリカにおける最も影響力のあるアーティストの一人として広く知られている。2007年には、テート・モダン(Tate Modern)とヒューストンの近代美術館(The Museum of Fine Arts, Houston)がオイティシカの作品をまとめた展覧会を行った。
オイティシカの財産を取り扱っているニューヨークのギャラリー・ルロン(Galerie Lelong)の副代表であるメアリー・サッバティノ(Mary Sabbatino)氏は、「土曜日にセサルと話しましたが、彼は、コレクションの90%が失われたと言っていました。」と語った。加えて、セサル氏はコレクションを救おうとしたが、ひどい煙が作品保管エリアに入ることを妨げていたとも語った。施設は、火災報知機と共に温度・湿度調整機能もついていた。火災の原因は、まだ解明されていない。
サッバティノ氏によると、コレクションは、市が支援するエリオ・オイティシカ・アート・センター(Centro de Arte Hélio Oiticica)の不十分な展示と収蔵条件を巡り、アーティスト側と市の間で繰り広げられた議論によって、2007年以来、リオ・デ・ジャネイロのセサル氏宅に収蔵されていたという。
オイティシカ家は、現在、損害査定を行っているが、イニシャル・レポートによると、オイティシカの着脱できる作品「パランゴレ(Parangolés)」といった主要な作品は、壊滅状態で修復が不可能であるとのこと。重要な作品は、テート・モダンやニューヨークMoMAなどを含め、国内外のプライベートあるいはパブリック・コレクションで難を逃れることができた。
火災で損失したものの中には、エリオ・オイティシカの父親でありブラジルにおいて著名な写真家であったホセ・オイティシカ(José Oiticica)によるオリジナル写真やネガもあった。サッバティノ氏がThe Art Newspaperに「一家は、兄弟や父親の作品の損失に打ちひしがれている。この出来事は、家族にとっての損失であり、ブラジルに受け継がれるべき財産にとっての損失であり、そしてアートを愛するすべての人たちにとっての損失である。」と語った。
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