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| 日動画廊副社長 長谷川 智恵子 |
風景画を飾ればそこに窓ができ
静物画や抽象画ならアクセントができます
長谷川 智恵子 / Hasegawa Chieko 日動画廊副社長。1944年生まれ。聖心女子大学卒業。画廊での展覧会企画、仕入れ、出版企画、海外交渉を担当すると同時に、日本洋画商協同組合の理事長を兼任。95年には、日仏文化交流に貢献したことでフランス政府よりレジオン・ドヌール・ジュヴァリエ勲章を授与される。近著に『気品磨き』(講談社)など。 |
- 日本でもっとも歴史のある洋画商として、日動画廊はどのように活動されていますか。
日動画廊は創業80年を超えていますが、巨匠作家から新人まで、幅広く作品を扱うことを基本にしています。昭和会という公募展を毎年開催し、新人の発掘にも努力しているんですよ。そうした作品なら価格も比較的お手頃ですから、気軽に選びやすいと思います。
また、日本の洋画家が国際的なマーケットでも通用するよう、努力してきました。とくに日動画廊パリ支店における活動などは、成果を上げていると思います。
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| 日動画廊を訪れると、いつでもさまざまな画家の作品を同時に見ることができる |
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| 茨城県笠間市にある笠間日動美術館は、丘陵地に3つの展示館を有する美術館。写真は企画展示館 写真提供=日動画廊 |
- 長谷川さんはフランス政府から勲章を授与されるなど、同国に造詣が深いですね。日本とフランスで、アートの楽しみ方に違いを感じることはありますか。
フランス人の全体的な傾向として、意見をしっかりもっているように思います。嗜好が徹底していて、対立すると、その場でディスカッションしちゃうところがあるんですね。美術館でも画廊でも、展覧会を見に「行く」という経験より、自分の目で作品を「見る」ことを重要に思っている節があるようです。だから、解説パネルもじっくり読まれます。私たちが展覧会を開くときも、そのことを意識して、解説パネルをつくっています。
また、フランスの方は、勧められたから買うというのではなく、好きか嫌いかで決めることがほとんどですね。飾る場所も決めている人が多く、画廊のスタッフに「どれがいいですか」と聞くことはほとんどないです。「私、これが気に入ったわ、お願い」という感じで、具体的だし話が早いのです。
日本では画廊は入りづらいという意識があるようですが、フランスは違います。買うつもりがなくても堂々と鑑賞し、批評だけして帰っていかれる方も多いんですよ(笑)。
- 洋画を家で楽しむ方法とその魅力について、教えてください。
まず、好きな絵を見つけることから始め、その作家のことをさらに知ることで楽しみが増えますね。また、自宅に飾ることで、風景画ならそこに窓ができ、静物画や抽象絵画だとアクセントができます。絵をかけかえることで、部屋が新鮮になる。それに、洋画は最近の建物に合いますし、取り扱いも保存も容易ですね。
わが家では娘たちが小さいとき、あえて美術や絵画を教えませんでした。でも、絵のある家に育ったことで、自然と見る目が養われ、感性も養われたと思っています。娘が小学校5、6年生のときだったかしら、美術の時間にルノワールについて習ったらしく、「その人どんな絵を描くの」というから「あら、うちの画廊にあるわよ」なんて(笑)。画家の名前くらいは伝えておくべきだったかしら、と思いましたね。でも、美術は習うより慣れたほうがいいし、わかろうとするよりなじんでしまったほうがいいのかもしれません。彼女たちが大人になってから思い返すと、服の色の選び方とかいろいろなところに影響を与えていたのだと思います。美術の勉強になるだけでなく、感性を刺激していたんですね。絵というものは、画家が自分の感性を注ぎ込んで描いたものですから。
- 画廊のお仕事に携わられた当初から今日まで、日本のアートシーン、とくに買う側の様子はどのように変わってきたと思われますか。
以前は贈答品にされる方も多かったのですが、このごろはご自宅に飾ったり、個人コレクションとしてお買いになる方が多くなりました。つまり、ご自分で判断して買われているということ。マンションなど、住まいの洋風化で壁が増えたこともあるかしら。四方を壁に囲まれていたら、なにかアクセントや広がりが欲しいと思いますよね。
作品のもつ魅力やエネルギーは、じかに見ないと伝わらないと思います。だから、遠慮せず画廊にお越しいただきたいですね。絵を前にしてあれこれ対話しながら購入するのは、とてもいい経験になりますよ。
出典: ART BOOK vol.1 (※画像、内容一部改変)
Photo by SCENE inc.
(c) MORIMOTO Co.,Ltd.





