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アートの楽しみ方 | レポート|アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち@森美術館

今月9日から森美術館で「アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち」展が展示されている。アネット・メサジェとは、1943年、フランスのベルク=シュル=メール生まれの女性アーティスト。収集癖があり、写真、絵、編み物、刺繍、ぬいぐるみ、はく製、雑誌や新聞の記事など誰でも手に入れられるような素材を使った作品を創作する。日本ではグループ展は何度か催されたことがあるが、個展で彼女の作品が展示されるのは初めて。

メサジェの世界に一足踏み込めばそこはとても不思議な子供のプレイ・ルームに迷い込んだような気分になる。しかしその可愛らしく、女性らしさや、子供のような無邪気さにあふれている作品はよく見れば必ずどこかに残酷な毒がある。メサジェの作品をみていると、相反する感情が同時に押し寄せてきて一瞬戸惑ってしまう。

メサジェはゲーム(遊び)好きだという。そんないつまでも童心を忘れない無邪気な子供らしさが彼女の作品には満載だ。しかし、彼女の作品が本当に表すのはフェミニズム、死、虐待など真剣な大人のテーマである。表現のしようによっては、それこそ暗くなってしまうテーマだが、そこをあえてまったく反対の要素で明るく表現する。それはメサジェのユーモアであり、そこに彼女の遊び好きでシニカルな性格が現れているのだろう。

メサジェの作品にはどれもユニークな視点から紡ぎだされるメッセージが潜んでいる。深く思考しながらそんなメッセージを作品のひとつひとつから探すのもいいが、今回の森美術館の展示では紐で吊るされたたくさんの人形が常に自動で動いている『つながったり分かれたり』や人間の内臓や体のパーツが空気によって息をするように動く『ふくらんだりしぼんだり』のように見る者を展示の「動き」で視覚的に楽しませてくれる要素があったり、彼女のコレクション部屋を壁の隙間からチラリと覗けたりもする。まだまだ暑い日は続くが、様々な楽しみ方ができるメサジェの独特で、不可思議なこの世界を体験しに行ってみてはいかがだろうか。


森美術館
アネット・メサジェ:聖と俗の使者たち
2008年8月9日(土)~2008年11月3日(月・祝)

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