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ホーム > artcafe > 陶芸の「いろは」 - 日常にある美 -
 
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ピックアップギャラリー | 陶芸の「いろは」 - 日常にある美 -

銀座黒田陶苑 正面

銀座7丁目にある黒田陶苑は、この地に店を構えて70年余続く現代陶芸と美術の専門店です。1935年、あの北大路魯山人の陶磁器作品の専売舗とし てスタートし、数々の同時代の優れた陶芸家たちを数多く輩出してきた、伝統と革新が今も息づく場所です。その三代目副主人、黒田佳雄氏に、なかなか聞けな い現代陶芸の「いろは」をご指南いただきました。



まず、ぐい呑みから始めよ

北大路魯山人  染付福の字皿
ぐい呑みの感触を楽しむ
富本憲吉 老残帖

- 陶芸というと、なによりまず使えるという点が特徴かと思うのですが。

そうですね。陶芸は実はとても身近なものです。ご自宅にもあるし、青空市のようなところでも売っている。ギャラリーにもあります。日常目にするものの美を深められるのが陶芸のよいところですね。

- 青磁、白磁、磁器、陶器、窯元、いろいろあってよくわかりません。

(苦笑)青磁、白磁はいわば釉薬(ゆうやく)の違いです。陶器と磁器の違いは、土の違いです。粘土で形をつくって焼くのが陶器。岩を細かく粉砕して 形をつくって焼いたものが磁器です。それにさまざまな釉薬をかけることによって千変万化の表現がうまれます。絵画でいう絵の具を選ぶ感じですね。材料を変 えることによって独自性が生まれます。だから陶芸家は材料を自分でつくるところから始めるんですよ。

- そうした違いが個性になるということですか。

そうです。その中でも特に、第三者が見て感動できるもの、目に留まるものを選んで紹介するのが私たちの仕事です。

- 鑑賞する陶芸、使う陶芸、ビギナーはどちらから入ったらいいでしょう?

ファーストコンタクトはやはり使えるものから入った方がいいでしょう。特にまずひとつ買ってみるなら、ぐい呑みをすすめます。ちいさいけれど、作家の力量が一番問われるものです。

- そうなんですか! どういうところを見たらいいんでしょう?

まず眼に留まった物を探してみてください。
チョイスの仕方は自由です。これをこうしなければいけないということも、実際ハウツーもないです。よくみて何か眼に留まるものをみつけたら、手にとって触ってみてください。

- 手にとっていいんですか? 白い手袋とかはしなくていいんですか?

しなくてもいいです。気をつけてみればいいです。失礼なことはありません。焼き物って手から感じるものがすごくあるんです。見た印象と持った印象が全然ちがいます。
目を瞑って触ってみても、手の上から感じる、指から感じる、唇から感じる。いろいろ感じるものがあるでしょう?

- 持ってみたら思いがけず軽かったり...。

そうですね。
手にとってみて、いいと思ったら、全体を撫でるようにみる。陶芸は裏にも作家の手が加わっています。
でも、必ずしも裏まで見ろというものではありません。絵画だって、ああいいなと思えば近寄るけど、素通りしてしまうものもあるように、気に入ったら 自然とみたくなるものです。ですから私たちはそれを強要しませんが、ひとつ目にとまったのだからできれば全部みていただきたいですね。

- ぐい呑み、いくつか集めると楽しそうですね。

いくつかコレクションをしていくと、これはこういう触感がある、これはこういう重みがあるとか、自分のコレクションの中からどんどん広がっていく楽 しみがあります。お客様の中にもたくさん見ている間に自然と選べる力がついてきた方もたくさんいます。

- では、眼を養おうと思ったら、まずたくさんみることでしょうか。

そうです。たくさんのところからチョイスする、勇気を出して手にしてみることですね。それはどこでもいいんです。青空市でもいいし、画廊でもいい し、アートフェアの会場でもいいです。とにかく、眼に留まったものは手にとってみることをおすすめします。陶芸って実はビギナーのものだと思います。日常 にある美の発見は、まず陶芸に眼を向けていただいて、そこから古美術やコンテンポラリーなど、いろいろな世界をみていただいてもいいし、もちろんまた戻っ て来てもいいと思います。


アートフェアの見どころ

(左)加守田章ニ 一九八十壷 (右)加守田章ニ 一九八十筒 (壁面)藤本能道 掛軸「紅椿とヒヨドリ図」

- 今度のアートフェア東京ではどんなものを出されますか?

加守田章二の作品を中心に考えています。70年代に活躍し49歳の若さで亡くなった寡作な作家で。毎回発表の度ににがらっと作風を変えていた鬼才です。

- どんなところが鑑賞のポイントでしょう?

加守田章二は、文様とデザインに強い意識をもって作品を展開した唯一の陶芸家でした。かたちや素材、すべて変え、いままでにないものを追い求めてい た、非常に稀な作家です。今度のアートフェアでは、そうした戦後の陶芸界の特異な存在をみていただいて、陶芸の奥ゆきを感じていただければと思います。そ してぐい呑みをお求めの場合は、 ぜひ、お帰りに銀座7丁目の弊店へお越し下さい。

70年以上にもわたり時代の魁である陶芸家たちを紹介してきた、風格と貫禄がありながら、陶芸の楽しさをわかりやすくお話しくださった黒田佳雄副店主。陶芸がとても身近なものだとわかって、お気に入りのぐい呑みをひとつ手に入れてみたくなりました。


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銀座 黒田陶苑

作品集 「伝統と革新 時代を先駆けた陶芸家-現代陶芸の七十年」
黒田陶苑/昭和10年(1935年)、北大路魯山人の陶磁器作品の専売舗「黒田風雅陶苑」として、黒田領治が銀座7丁目に開業。その後「黒田陶苑」 と名を改め、魯山人をはじめ、河井寛次郎、富本憲吉、濱田庄司、加守田章二、八木一夫など、のちの大家となる陶芸家を紹介してきた。伝統と革新の精神で、 物故作家から現代の若手作家まで幅広く扱っている。2005年に作品集「伝統と革新 時代を先駆けた陶芸家-現代陶芸の七十年」を発行。





黒田佳雄(くろだ よしお)

黒田陶苑 三代目副主人。祖父の代から続く伝統を守りながら、週の半分は全国の窯をめぐって、無名の現代陶芸家を発掘紹介している。リアルタイムに感じる陶芸の楽しさを綴った「黒田陶苑三代目・黒田佳雄による陶を愉しむ陶辺雑記帖」が好評更新中。http://blog.goo.ne.jp/kurodatouen/
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